世界各地、そして日本各地に建立されている聖人や偉人の銅像。
わたしは銅像を観るのが三度の飯より好きです。名所旧跡を訪れて銅像を見つけると狂喜乱舞し、一緒に記念撮影をせずにはおれません。銅像が「どーぞー、一緒にお写り下さい!」と誘いかけてくるのです。わたしはさまざまな銅像と対峙しながら、そこに建立せずにはおられなかった先人を慕う人々の熱い想いを感じてしまいます。
井上馨像
井上公園にて
先日、全互連の西日本ブロック会議に参加するために山口の湯田温泉を訪れましたが、この地の「井上公園」には明治の元勲・井上馨の銅像が建立されています。井上の旧宅「何遠亭」があったことから井上公園という名称になっています。
七卿遺蹟之碑の前で
七卿遺蹟之碑の説明看板
幕末の「七卿落ち」で京都から追放された三条実美ら7名の公卿が一時滞留した場所でもあり、公園内には「七卿の碑」があります。
ちなみに七卿落ちとは、八月十八日の政変で会津藩・薩摩藩ら公武合体派により、長州藩を中核とする尊皇攘夷派、それを支持していた公卿7名が京都から追放されたクーデター事件ですね。
井上馨像
井上馨侯碑建立の碑文
現在の銅像は二代目であり、初代は第二次世界大戦中に発令された金属類回収令によって供出の憂き目に遭っています。
公益財団法人 山口県ひとづくり財団、通称「平成の松下村塾」の公式HPでは「山口県の先人たち」を顕彰するコーナーがあります。その中で井上馨は「不平等条約改正のため鹿鳴館外交を展開」という見出しで紹介されていますが、要約すると以下のとおりです。
「幕末の萩藩士・明治時代の政治家 1835(天保6)年〜1915(大正4)年
吉敷郡湯田村(現 山口市湯田温泉)で萩藩士の子として生まれる。萩藩の藩校『明倫館』に学び、藩主に従って江戸へ行くと蘭学を学び、海防に関心を持つ。1863(文久3)年、伊藤博文らとともに、いわゆる長州ファイブの1人として英国に密航留学するが、藩が欧米の船を攻撃したことを知り、急遽帰国。1864(元治元)年、幕府によって第1次長州征討の命令が下されると、萩藩内の保守派と対立して襲撃されて、瀕死の重傷を負う。
明治維新後、大蔵大輔として国立銀行を設置し、三井などの政商を保護する政策を進める。第1次伊藤博文内閣では外務大臣を務め、幕末に幕府が欧米諸国と結んだ不平等条約の改正に取り組む。その交渉を外国と進めるにあたり、欧米の制度や服装、生活様式を積極的に取り入れる欧化政策をとり、『鹿鳴館』では政府の高官が国内外の紳士淑女を招待して大舞踏会や慈善バザーなどを開催する。 また、日本鉄道会社や日本郵船会社の設立に力を尽くし、三井や、藤田伝三郎の藤田組などの財閥の顧問を務め、満79歳で亡くなるまで、政界や財界に強い影響力を持ち続けた」
幕末の志士らしい「いい顔」をしています
幕末維新期には、吉田松陰、高杉晋作、坂本龍馬、西郷隆盛、大久保利通、勝海舟など、実に多くの傑出した人物が輩出されます。まさに百花繚乱の如し。そのせいもあってか、井上に限りませんが、伊藤博文や山縣有朋など、明治期に活躍した元勲たちにはB級なイメージが抱いてしまいがちです。
しかし、かの高杉晋作をして「自分たちは士分だが、もし腰の大小を取り上げられたなら、自分たちは乞食同様に食い詰めるだろうが、井上だけは飯を食うことができる」と言わしめるほど、若い時分より才覚があったようです。
井上馨といえば、2006年に公開された日本映画「長州ファイブ」では北村有起哉が演じていましたが、この映画は第40回ヒューストン国際映画祭でグランプリを受賞しています。「長州ファイブ」は、1863年(文久3年)、長州藩から派遣されてヨーロッパに秘密留学した井上馨、遠藤謹助、山尾庸三、伊藤博文、井上勝、長州藩士5人を描いたもの。この留学には大きな問題がありました。それは一人当たりの滞在費が1000両程度かかるにもかかわらず、長州藩の支給額は一人300両しかなかったこと。この差額を調達したのが井上だったのです。なんと長州藩の御用掛金を担保にして豪商・大黒屋から5000両を借り入れるのですが、理財の才もさることながら肚の据わった人物であったことがわかります。しかし、井上は大蔵大輔時代に「尾去沢銅山事件」で世間から糾弾されることになります。
井上馨の銅像の前で
Wikipediaで、この事件の概略が簡潔に説明されています。
「江戸末期、財政危機にあった南部藩は御用商人鍵屋村井茂兵衛から多額の借財をなしたが、身分制度からくる当時の慣習から、その証文は藩から商人たる鍵屋茂兵衛に貸し付けた文面に形式上はなっていた。1869年(明治元年)、採掘権は南部藩から鍵屋茂兵衛に移されたが、諸藩の外債返済の処理を行っていた明治新政府で大蔵大輔の職にあった長州藩出身の井上馨は、1871年(明治4年)にこの証文を元に返済を求め、その不能をもって大蔵省は尾去沢鉱山を差し押さえ、鍵屋茂兵衛は破産に至った。井上はさらに尾去沢鉱山を競売に付し、同郷人である岡田平蔵にこれを買い取らせた上で、『従四位井上馨所有』という高札を掲げさせ私物化を図った。鍵屋茂兵衛は司法省に一件を訴え出、司法卿であった佐賀藩出身の江藤新平がこれを追及し、井上の逮捕を求めるが長州閥の抵抗でかなわず、井上の大蔵大輔辞職のみに終わった」
銅像に学ぶ先人の志
しかし、同時代人であった大隈重信は井上を次のように評しています。
「一旦紛糾に処するとたちまち電光石火の働きを示し、機に臨み変に応じて縦横の手腕を振るう。ともかく如何なる難問題も氏が飛び込むと纏まりがつく。氏は臨機応変の才に勇気が備わっている。短気だが飽きっぽくない」
「功名心には淡白で名などにはあまり頓着せず、あまり表面に現れない。井上氏は伊藤(博文)氏よりも年長であり、また藩内での家格も上で、維新前は万事兄貴株で助け合ってきたらしい。元来が友情に厚く侠気に富んだ人であるから、伊藤氏にでも頼まれると、割の悪い役回りにでも甘んじて一生懸命に働いた。井上氏がしばしば世間の悪評を招いた事の中にはそういう点で犠牲になっているような事も多い」
(以上、Wikipedia「井上馨」より)
井上馨の旧宅「何遠亭」にて
また、ドイツ公使アイゼンデッヒャーは「前外務卿(寺島宗則)よりよく、温和で礼儀正しい人物であった」と述べていたといいます。どのような偉人であっても、在世中は「毀誉褒貶」は世の常であり、「晩節を汚す」という言葉があるとおり、死ぬまで確定することはありません。「蓋棺事定」とはよくいったものです。井上馨を顕彰する人々がいなかったなら、銅像が建立されるはずはありません。歴史に名を遺すほどの人物から学ぶべきことがないというのでは、あまりにも不遜ではないでしょうか。好き嫌いはあったとしても「誰からでも学ぶ度量」を持ちたいと考えます。
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2016年11月10日 佐久間庸和拝
[銅像に学ぶ]井上馨像
[行事と講演]グラウンドゴルフ大会
11月10日、北九州市の「若松ひびき公園グラウンド」で、わが社の創立50周年記念「グラウンド・ゴルフ決勝大会」が開催されました。わたしも参加したかったのですが、ブログ「社会福祉協議会講演」で紹介した講演会とバッティングしました。
これまで主催者代表として挨拶をする予定でしたが、雨天のために2度も日程が狂いました。
ブログ「グラウンドゴルフ大会」に書いたように、2011年11月5日には創立45周年記念の「グラウンドゴルフ決勝大会」が開催された穴生ドームを訪れ、主催者挨拶と始球式、および表彰を行いました。始球式では、わたしの打ったボールがホールインワンになりました。
グラウンドに進む参加者たち
開会式で並ぶ選手のみなさん
グラウンドゴルフ(Ground Golf)とは、日本で誕生した高齢者向けに考案されたスポーツで、 プレイ時間は、標準的なコースで8ホール30分強、グラウンド・ゴルフ交流大会では、35チーム200人で8ホール回るのに、2時間30分と記録されています。
本日の大会は個人戦で競技が行われ、750名もの方にご参加いただきました。
東常務による主催者挨拶
気合いの入った選手宣誓!
会場に集結した北九州のグラウンド・ゴルフ名人たちは、元気いっぱいでした。
最初に、主催者を代表し、東孝則常務より挨拶しました。
「みなさん、おはようございます。本日はお寒い中を、サンレー創立50周年記念、親睦グラウンド・ゴルフ大会に、このように多くの皆様のご参加を賜りまことにありがとうございます。また、開催にあたりまして、大変なご尽力をいただきました 新開支部長様をはじめ北九州市グラウンド・ゴルフ協会西部支部の皆様に深く感謝申し上げます。
おかげさまをもちまして、サンレーグループは今月18日に創業50周年を迎えます。昭和41年の創業以来50年、会員様をはじめとする地域の皆様に支えていただき、この年を迎えることができましたことを、あらためて感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
本日は普段の練習の成果を存分に発揮していただきたいと思います。」
始球式のようす
始球式の時間がやってきました。
3人が横一列に並び、カップをめがけてボールを打ちました。
わたしがいれば、またホールインを決めてやったのに!
競技のようす
競技のようす
競技は想像以上の盛り上がり、非常にハイレベルの戦いが展開され、ホールインワンもあちらこちらで出ていました。また、各コースでは白熱したラウンドが繰り広げられ、会場は熱気に溢れていました。みなさん本当に楽しそうで、一生懸命プレーされている姿が印象的でした。プレー終了後には、表彰式が行われ、東孝則常務より本日優秀な成績を残した方へ、賞状と記念品が贈られました。
競技のようす
血縁や地縁というものが大切ですが、このような好きな趣味で結ばれる「好縁」の絆も強いものがあります。わが社は、これからも、さまざまな「好縁」のイベントを企画し、「有縁社会づくり」のお手伝いをさせていただきたいと思います。
表彰式の様子
上位入賞者のみなさま
非常にレベルの高い決勝戦で、ホールインワンもあちらこちらで出ていました。
どのコースも白熱したラウンドが繰り広げられ、若松ひびき公園グラウンドは熱気ムンムン!
もちろん、血縁や地縁というものが大切ですが、このような好きな趣味で結ばれる「好縁」の絆も強いものがあります。わが社は、これからも、さまざまな「好縁」のイベントを企画し、「有縁社会づくり」のお手伝いをさせていただきたいと改めて思いました。
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2016年11月11日 佐久間庸和拝
[行事と講演]日本赤十字社講演
11日の13時から、日赤豊寿園家族会の勉強会に招かれ、講演しました。
ブログ「社会福祉協議会講演」で紹介した講演会に続く、連日の出陣です。
会場は、日本赤十字社福岡支部特別養護老人ホーム豊寿園です。昨日は作家・一条真也としての講演でしたが、今日は株式会社サンレーの社長である佐久間庸和としての講演です。わたしは、社章とサンレー創立50周年バッジを胸につけて講演会場に向かいました。
日本赤十字社福岡支部特別養護老人ホーム豊寿園の前で
日本赤十字社福岡支部特別養護老人ホーム豊寿園の入口で
書籍販売コーナー(たくさん売れました!)
勉強会がスタートしました
冒頭で挨拶する吉田会長
みなさん、こんにちは!
冒頭、同会の吉田会長から挨拶がありました。
続いて、森園長より講師紹介がありました。
それから、講師としてわたしが登壇しました。わたしは最初に「みなさん、こんにちは。今日は日本赤十字社さまと御縁をいただき、まことに光栄です。わたしは『心ゆたかな社会』の実現を夢見ているのですが、人類の歴史において赤十字が果たした功績はあまりにも偉大です。心より敬意を抱いております」と述べました。それから壁に「人間を救うのは、人間だ」「今、救わなくては」という横断幕が掲げられていることに触れ、「まさに『人間を救うのは、人間だ』と、わたしも思います。『ハートフル・ソサエティ』という本にも書きました」と言いました。
壁に掲げられた日本赤十字社の横断幕
人間を救うのは、人間だ。今、救わなくては。

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また、わたしは「昨日の講演で、『アンチエイジング』という言葉についての異論を唱えました。これは『老い』を否定する考え方ですが、これは良くありませんね」と述べました。そして、わたしは「老いと死があってこそ人生!」という話をしました。サミュエル・ウルマンの「青春」という詩がありますが、その根底には「青春」「若さ」にこそ価値があり、老いていくことは人生の敗北者であるといった考え方がうかがえます。おそらく「若さ」と「老い」が二元的に対立するものであるという見方に問題があるのでしょう。「若さ」と「老い」は対立するものではなく、またそれぞれ独立したひとつの現象でもなく、人生というフレームの中でとらえる必要があります。
さあ、講演のスタートです!
サミュエル・ウルマンの「青春」を紹介
理想の人生を過ごすということでは、南宋の朱新仲が「人生の五計」を説きました。それは「生計」「身計」「家計」「老計」「死計」の5つのライフプランです。朱新仲は見識のある官吏でしたが、南宋の宰相であった秦檜に憎まれて辺地に流され、その地で悠々と自然を愛し、その地の人々に深く慕われながら人生を送ったといいます。そのときに人間として生きるための人生のグランドデザインとでも呼ぶべき「人生の五計」について考えたのでした。
老いと死があってこそ人生!
「人生の五計」について
「生計」とは、いかに天地の大徳を受けて、人生を元気に生きいきと生きるかを考えて生活することです。「身計」とは、いかに身を立てるべきか、世に処すべきか、志を立てるべきかということです。「家計」とは、家庭生活をいかに営むか、夫婦関係や家族関係はどうあるべきか、一家をいかに維持するかを考えて暮らすことです。「老計」とは、いかに年を取るべきかを考えて生きること、「老い」の価値を生かして生きることです。そして、最後の「死計」とは、いかに死ぬかを考えて生きることです。
老年期は実りの秋である!
それからわたしは、「老年期は実りの秋である!」という話をしました。今年の夏は本当に暑かったですね。わたしは50代の前半ですが、若い頃と違って暑さが体にこたえます。昔は夏が好きだったのですが、今では嫌いになりました。四季の中では、秋が好きです。古代中国の思想では人生を四季にたとえ、五行説による色がそれぞれ与えられていました。すなわち、「玄冬」「青春」「朱夏」「白秋」です。それによると、人生は冬から始まります。まず生まれてから幼少期は未来の見えない暗闇のなかにある。そんな幼少期に相当する季節は「冬」であり、それを表す色は原初の混沌の色、すなわち「玄」です。玄冬の時期を過ぎると大地に埋もれていた種子が芽を出し、山野が青々と茂る春を迎えます。これが「青春」です。この青春の時期を過ごす人を青年といいます。そして青年が中年になると夏という人生の盛りを迎えます。燃える太陽のイメージからか色は「朱」が与えられています。中年期を過ぎると人生は秋、色は「白」が与えられ、高齢期は「白秋」とされるのです。
インドの「四住期」について
インドにも「老い」をテーマにしたライフライクルがありました。
ヒンドゥー教の「四住期」という考え方です。これは理想的な人生の過ごし方というべきもので、人間の一生を「学生期」「家住期」「林住期」「遊行期」の4つの段階に分けて考えます。最後の遊行期は、この世へのいっさいの執着を捨て去って、乞食となって巡礼して歩き、永遠の自己との同一化に生きようとしたのです。
超高齢社会をどうとらえるか
古代ローマの「好老社会」について
江戸の「好老社会」について
人は老いるほど豊かになる
こうして歴史をひもといていくと、人類は「いかに老いを豊かにするか」ということを考えてきたといえます。「老後を豊かにし、充実した時間のなかで死を迎える」ということに、人類はその英知を結集してきたわけです。人生80年時代を迎え、超高齢化社会の現代日本は、人類の目標とでもいうべき「豊かな老後」の実現を目指す先進国になることができるはずです。その一員として、実りある人生を考えていきたいものです。
終活ブームの背景
それから、わたしは「終活」についての考えを述べました。
これまでの日本では「死」について考えることはタブーでした。でも、よく言われるように「死」を直視することによって「生」も輝きます。その意味では、自らの死を積極的にプランニングし、デザインしていく「終活」が盛んになるのは良いことだと思います。
ところが、その一方で、わたしには気になることもあります。
「終活」という言葉には何か明るく前向きなイメージがありますが、わたしは「終活」ブームの背景には「迷惑」というキーワードがあるように思えてなりません。
家族とは迷惑をかけ合うものです!
満員になりました!
わたしは大きめの声で、次のように訴えました。
「そもそも、家族とはお互いに迷惑をかけ合うものではないでしょうか。
子どもが親の葬式をあげ、子孫が先祖の墓を守る。
当たり前ではないですか。そもそも“つながり”や“縁”というものは、互いに迷惑をかけ合い、それを許し合うものだったはずです。
「面倒くさいこと」の中にこそ幸せがある
「終活の流れ」について説明
「迷惑をかけたくない」という言葉に象徴される希薄な“つながり”。
日本社会では“ひとりぼっち”で生きる人間が増え続けていることも事実。
しかし、いま「面倒なことは、なるべく避けたい」という安易な考えを容認する風潮があることも事実です。こうした社会情勢に影響を受けた「終活」には「無縁化」が背中合わせとなる危険性があることを十分に認識すべきです。この点に関しては、わたしたち一人ひとりが日々の生活の中で自省する必要もあります」
会場は熱気ムンムン!

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いま、世の中は大変な「終活ブーム」です。
多くの犠牲者を出した東日本大震災の後、老若男女を問わず、「生が永遠ではないこと」そして必ず訪れる「人生の終焉」というものを考える機会が増えたことが原因とされます。多くの高齢者の方々が、生前から葬儀や墓の準備をされています。
また、「終活」をテーマにしたセミナーやシンポジウムも花ざかりで、わたしも何度も出演させていただきました。さらに、さまざまな雑誌が「終活」を特集しています。ついには日本初の終活専門誌「ソナエ」(産経新聞出版社)まで発刊され、多くの読者を得ています。わたしも同誌で「一条真也の老福論」というエッセイを連載しています。
「終活」から「修活」へ
このようなブームの中で、気になることもあります。それは、「終活」という言葉に違和感を抱いている方が多いことです。特に「終」の字が気に入らないという方に何人も会いました。もともと「終活」という言葉は就職活動を意味する「就活」をもじったもので、「終末活動」の略語だとされています。ならば、わたしも「終末」という言葉には違和感を覚えてしまいます。死は終わりなどではなく、「命には続きがある」と信じているからです。そこで、わたしは「終末」の代わりに「修生」、「終活」の代わりに「修活」という言葉を提案しました。「修生」とは文字通り、「人生を修める」という意味です。
よく考えれば、「就活」も「婚活」も広い意味での「修活」ではないでしょうか。学生時代の自分を修めることが就活であり、独身時代の自分を修めることが婚活です。そして、人生の集大成としての「修生活動」があります。
人は死なない
「遺体」の本当の意味とは?
有史以来、「死」は、わたしたち人間にとって最重要テーマでしたし、それは現在も同じです。わたしたちは、どこから来て、どこに行くのか。そして、この世で、わたしたちは何をなし、どう生きるべきなのか。これ以上に重要な問題など存在しません。 なぜ、自分の愛する者が突如としてこの世界から消えるのか、そして、この自分さえ消えなければならないのか。これほど不条理で受け容れがたい話はありませんね。これまで数え切れないほど多くの宗教家や哲学者が「死」について考え、芸術家たちは死後の世界を表現してきました。医学や生理学を中心とする科学者たちも「死」の正体をつきとめようとして努力してきました。「死」こそは人類最大のミステリーです。
「修める」という心構え
人生をアートのように美しく!
かつての日本は、たしかに美しい国でした。
しかし、いまの日本人は「礼節」という美徳を置き去りし、人間の尊厳や栄辱の何たるかも忘れているように思えてなりません。それは、戦後の日本人が「修行」「修養」「修身」「修学」という言葉で象徴される「修める」という覚悟を忘れてしまったからではないでしょうか。老いない人間、死なない人間はいません。死とは、人生を卒業することであり、葬儀とは「人生の卒業式」にほかなりません。老い支度、死に支度をして自らの人生を修める。この覚悟が人生をアートのように美しくするのではないでしょうか。
「サンレー」の社名について
それから、「サンレー」という社名の意味、冠婚葬祭というものの本質、および人生の最期のセレモニーである「葬儀」というものの意義について話しました。葬儀という儀式は、何のためにあるのでしょうか。遺体の処理、霊魂の処理、悲しみの処理、そして社会的な処理のために行われます。私たちはみんな社会の一員であり、1人で生きているわけではありません。その社会から消えていくのですから、そんな意味でも死の通知は必要なのです。社会の人々も告別を望み、その方法が葬儀なのです。
自分の葬儀を想像する
続いて、誰でもが実行できる究極の「修活」についてもお話しました。
それは、自分自身の理想の葬儀を具体的にイメージすることです。
親戚や友人のうち誰が参列してくれるのか。そのとき参列者は自分のことをどう語るのか。理想の葬儀を思い描けば、いま生きているときにすべきことが分かります。参列してほしい人とは日ごろから連絡を取り合い、付き合いのある人には感謝することです。生まれれば死ぬのが人生です。死は人生の総決算。葬儀の想像とは、死を直視して覚悟することです。覚悟してしまえば、生きている実感がわき、心も豊かになります。
入棺体験のすすめ
自分の葬儀を具体的にイメージするとは、どういうことか?
それは、その本人がこれからの人生を幸せに生きていくための魔法です。わたしは講演会などで「ぜひ、自分の葬義をイメージしてみて下さい」といつも言います。友人や会社の上司や同僚が弔辞を読む場面を想像することを提案するのです。そして、「その弔辞の内容を具体的に想像して下さい。そこには、あなたがどのように世のため人のために生きてきたかが克明に述べられているはずです」と言いました。葬儀に参列してくれる人々の顔ぶれも想像するといいでしょう。そして、みんなが「惜しい人を亡くした」と心から悲しんでくれて、配偶者からは「最高の連れ合いだった。あの世でも夫婦になりたい」といわれ、子どもたちからは「心から尊敬していました」といわれる。自分の葬儀の場面というのは、「このような人生を歩みたい」というイメージを凝縮して視覚化したものなのです。その理想のイメージを現実のものにするには、あなたは残りの人生を、そのイメージ通りに生きざるをえないことがおわかりかと思います。これは、まさに「死」から「生」へのフィードバックではないでしょうか。よく言われる「死を見つめてこそ生が輝く」とは、そういうことだと思います。人生最期のセレモニーである「お葬式」を考えることは、その人の人生のフィナーレの幕引きをどうするのか、という本当に大切な問題です。
日本人の他界観について
さまざまな送られ方
月面葬について説明
ご清聴ありがとうございました!
さらに、新時代の葬儀についても話しました。
日本の葬儀は、実にその9割以上を仏式葬儀によって占められています。
ところが最近になって、仏式葬儀を旧態依然の形式ととらえ、もっと自由な発想で故人を送りたいという人々が増えています。今のところは従来の告別式が改革の対象になって、「お別れ会」などが定着しつつあります。やがて、通夜や葬儀式にも目が向けられ、故人の「自己表現」や「自己実現」が図られていくに違いありません。
みなさん、たいへん興味深い様子で聴いて下さいました。
最後に、わたしは「みなさんも、ご自分の『送られ方』を考えて下さい。そして、ご自分なりの方法で人生を修めていただきたいと思います」と述べ、講演を締めくくりました。
1人目の質問を受ける
真摯にお答えいたしました
講演後は、質疑応答の時間です。3人の方から手が挙がりました。1人目は女性の方で、「いま、無縁仏がどんどん増えています。このような無縁仏に対して、どのような供養の方法が考えられるでしょうか?」という質問でした。2人目も女性の方で、「わたしは海が好きです。海洋葬のお話に興味を抱きました。自分が好きな海なら、どこでも散骨できるのでしょうか?」という質問でした。わたしは、それらの質問に対して真摯に答えさせていただきました。
3人目の質問を受ける
盛大な拍手を頂戴しました
3人目は白髪の男性の方で、「うちの子は結婚していません。わたしの墓は将来どうなるのでしょうか?」という質問でした。わたしは「血縁が途切れる場合は、地縁の出番です。ぜひ、近所に住む隣人とお墓参りをし合う習慣づくりをしたいものですね」とお答えました。その方はさらに「いとこが大阪にいるのですが、墓参りをしてくれるでしょうか? 子どもは東京に行ったきり、帰ってきません」と言われるので、わたしは「それぞれの家庭の御事情はわかりませんが、血縁が途切れているわけではないので、ぜひご親族で一度話し合われてみてはいかがでしょうか?」と笑顔でお答えました。質疑応答が終わると、盛大な拍手を頂戴して感激しました。
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2016年11月11日 佐久間庸和拝
[こころの一冊]『生きるって人とつながることだ!』
連載100回達成記念に、過去の「ハートフル・ブックス」をご紹介しています。
第27回目は、「サンデー新聞」2010年6月11日号に掲載されました。
わたしは、『生きるって人とつながることだ!』 福島智著(素朴社)を紹介しました。
「サンデー新聞」2010年5月1日号
本書は、目も耳も不自由な「全盲ろう」の東大教授・福島智からの現代人へのメッセージです。1994年にテレビ番組「徹子の部屋」に出演したとき、著者は黒柳徹子さんの「あなたのような盲ろうの方は、日本にどのくらいいらっしゃいますか?」という質問に対して、「推計2万人。でも、そのほとんどがひっそりと家に閉じこもっておられると思います。ヘレン・ケラーは有名ですが、みなさんの身近にも盲ろう者がいることを、ぜひ知っていただきたいですね」と答えています。
なんと、日本に2万人もの目も耳も不自由な方々がいたとは!わたしは、まったく知りませんでした。それにしても、著者ほど人間関係が豊かな人はいないと思うほど、たくさんの人が周りに集まってきます。その最大の原因は、著者がユーモアに富んだ人であることでした。本書の至るところにも、ダジャレを含めて著者のユーモアが満ち溢れています。
そして、究極の人間関係が夫婦であるとするなら、著者はまことに良き伴侶を得ました。奥さんは、もともとボランティア関係の仕事をしていましたが、盲ろう者である著者と結婚するにあたり、心配する両親や親族を根気強く説得して、見事に愛を実らせました。
著者は、奥さんに対して、「私が住むこのコンディションの悪い『ホームグラウンド』での一緒のプレー(人生)を、あなたがエンジョイしてくれていることは、いつもさりげなく伝わってきます。少なくとも私にとっては、それがどれほど嬉しいことかわかりません」という言葉を贈っています。お互いに思いやりを忘れてしまった、すべての夫婦が噛みしめたい言葉ですね。
そして、東大の「学術博士」の学位を授与された論文において、「人の存在が深い孤独に根ざしながらも、同時に他者により支えられている」という認識にたどりついた著者は、「一方で生存に伴う根元的な孤独の深さがあり、他方でそれと同じくらい強く他者の存在を『憧れる』というダイナミックな関係性がそこにはある。そして、孤独の生を生き抜くためには、他者の存在とそれを確信するためのコミュニケーションが不可欠と結論づけた」と述べます。
そう、生きるって人とつながることなんですね!
著者は、“盲ろう”という世界をリアルにわたしたちにレポートするとともに、人間にとって他者の存在が不可欠であるという真理を教えてくれます。

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2016年11月12日 佐久間庸和拝
[こころの一冊]『負けてたまるか! 若者のための仕事論』
連載100回達成記念に、過去の「ハートフル・ブックス」をご紹介しています。
第28回目は、「サンデー新聞」2010年6月5日号に掲載されました。
『負けてたまるか! 若者のための仕事論』丹羽宇一郎著(朝日新書)を紹介しました。
「サンデー新聞」2010年6月5日号
伊藤忠商事の相談役である丹羽宇一郎氏が若いビジネスマン、ビジネスウーマンに向けて書いた本です。著者は、まず、人は仕事で磨かれると訴え、若者に「まずはアリのように、泥にまみれて働け」と喝破します。それから、「君はアリになれるか。トンボになれるか。そして、人間になれるか」という言葉を紹介します。
会社に入って最初の時期、20代〜30代までは、「アリ」のように地を這っていくことが大事。がむしゃらに進み、失敗を重ねていく中で迎える30代前半、そこから40代前半までは「トンボ」のように広い視野で世間を見て勉強する。会社のリーダーに近づく40代後半〜50代にかけては、血の通う、温かい心を持った「人間」をめざす。非常にわかりやすい比喩ですが、最後は「人間」に行き着くわけです。
また、人は読書でも磨かれます。著者によれば、人間には本来「動物の血」が流れているといいます。人類が誕生して以来、「動物の血」は200万年も脈々と息づいている。一方、神々の血、すなわち「理性の血」はたかが4000年から5000年にすぎない。どちらが勝つかといえば、間違いなく「動物の血」です。
著者は、読書によって「動物の血」を抑制することができると主張し、こう述べます。
「最近では、親殺し子殺し、あるいは通り魔的殺傷事件が後を絶ちません。不満や愚痴がたまると、それを抑制できずにすぐにキレてしまう。自分で自分の感情をコントロールできなくなっているのです。これは、読書をしていないことも一因ではないかと私は考えています。」
そして、最後に人は人で磨かれます。著者は「教養というのは相手の立場に立って物事を考える力があること」として、次のように述べます。
「どうしたら教養を身につけることができるか。もちろん読書も大事です。そしてたくさんの人と接し、人間社会で揉まれることです。自分の思い通りにならないことも多々あるでしょう。そんなとき、なぜなんだろうと立ち止まってみる。自分に非はないかと謙虚に帰みる。」
こうした経験を積んでいくことで、相手の立場に立って物事を考えるということがわかり、「教養」がつくのです。このように、人は、仕事で磨かれ、読書で磨かれ、人で磨かれるのです。新入社員を中心とした若者向けに書かれた本ですが、ビジネスに関わるすべての人々に大事なことを教えてくれます。わたし自身、本書から多くを学びました。

- 作者: 丹羽宇一郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/04/13
- メディア: 新書
- 購入: 4人 クリック: 36回
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2016年11月13日 佐久間庸和拝
[会社だより]松柏園ホテル新館建設会議
14日は満月です。今夜は、毎年恒例の「月見会」に参加します。
午前10時から、松柏園ホテル新館建設の定例会議に出席。メンバーは、わたしの他に、石田部長・山下部長・梅林課長・高木チーフ・井口支配人、それに設計スタッフの方々でした。
NEW・松柏園ホテルのイメージパース
会議のようす
図面を広げて説明を聞く
図面を広げて説明を聞く
うーむ・・・・・・
ここは、どうなってるのかな?
庭園の視察もしました
庭園工事について説明を聞く
庭園ほど贅沢なものはない!
新館建設用地の前で
西日本工業倶楽部の前で
松柏園ホテルの新館は、これまで北九州にはなかったような最先端の「アーバン・リゾート」をコンセプトに建設されます。チャペルやレストランなども併設され、新たなブライダル・シーンを切り拓いていきます。会議後、新館の建設予定地に立つと、完成したイメージが具体的に湧いてきました。庭園も滝を3つ作るなど大規模な工事が予定されています。「庭園ほど贅沢なものはない」がわが信条ですので、満足のゆく庭を完成させたいと願っています。
その後、ロータリークラブのサインで戸畑の西日本工業倶楽部を訪れましたが、その建築物としての素晴らしさを改めて痛感しました。NEW松柏園も、西日本工業倶楽部のような北九州を代表するような施設にしたいです。サンレー創立50周年まで、あと4日です!
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2016年11月14日 佐久間庸和拝
[行事と講演]月見会
14日は満月です。夜、「月の織姫」こと築城則子先生の工房で「月見会」が開かれました。
例年はもっと早い時期に開かれるのですが、11月開催は初めて。かなり寒いかと思いましたが、それほどでもなかったです。「月ノリ子」と名乗るほど月が大好きな築城先生が開く月見会は、最高に風流です。まさに、宴そのものがアートであるとさえ思います。これまで毎回参加させていただいていますが、ホスピタリティ・サービス業に関わる者として大変勉強になります。
今日は満月です・・・・・・
わたしはシャンパンと西洋菓子を抱えて八幡の猪倉にある工房をお邪魔しました。
すると、すでに宴席の準備が整っており、後は宴を待つばかりでした。
最初の前菜のお皿はいつものように満月をイメージした丸いものづくし。
わたしは、その美しさに目を奪われました。さすがです!
もちろん、縁側にはススキと団子も飾られていました。
満月のプレート
月見のしつらい
猪倉の工房では不定期に月見会が開催され、「北九州のヤクザな文化人の会」という秘密結社(笑)のメンバーが参加します。このわたしも、秘密結社の構成員の一員なのです。ちなみに、この結社の大幹部は(株)岡野バルブ製造の岡野正敏会長、森川産業(株)の森川満社長のお2人で、「ダンディ・ミドル」こと(株)ゼンリンプリンテックスの大迫益男会長が中幹部、そして不肖わたしが小幹部となっております。今回も、北九州を代表する重要人物の方々が月見会に参加され、美味しいお酒とお料理を堪能されました。前回に続いて、上田早苗・NHK北九州放送局長も再登板でした。
月見会のようす
京都から取り寄せた「満月」の饅頭
また、この宴では京都の「満月」という最高に美味な饅頭が出されます。
まるで満月そのものを食べているみたいで素敵なお菓子です。
饅頭の包み紙には「満」というシールが貼られています。森川社長は自身のお名前が「満」であることから、この「満月」をこよなく愛しておられるとのこと。
今夜は雨かと思いましたが・・・・・・
月が出た出た、スーパームーンが出た!!
今夜は雨が降ったので、天気が心配でしたが、一瞬だけ雲間が晴れ、猪倉の上空に神秘的な満月が昇りました。今夜の月は、1年で最も地球に近づき、満月が大きく見える「スーパームーン」でした。夜も更けてくると月も上へと移動します。余計な照明のない猪倉の山の稜線が黒いシルエットとなり、満月を中心にシャガールの絵画みたいに幻想的な「青い夜」を浮かび上がらせました。この上ない絶景に、参加者の方々も大喜びでした。
IT社会ですが、こうやって実際に人と人とが会う機会は大切ですね。
ITが進歩するばかりでは、人間の心は悲鳴をあげて狂ってしまいます。
やはり、人が集う機会がたくさんある社会でなければなりません。
今夜も、有意義かつ楽しいひと時を過ごすことができました。
築城先生、今年も素敵な時間をありがとうございました!
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2016年11月14日 佐久間庸和拝
[人生の四季]「いい夫婦の日」に思うこと
JR博多駅前の大陥没事故で通行止めになっていた道路が、15日午前5時に通行再開。
早速、これから現地に行ってみたいと思います。とは言っても、野次馬ではありません。今日は全互協の九州ブロック総会が博多で開催されるので、ブロック長として参加するのです。
さて、「サンデー毎日」2016年11月27日号が発売されました。
わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
第56回目のタイトルは、「『いい夫婦の日』に思うこと」です。
「サンデー毎日」11月27日号
11月22日は「いい夫婦の日」です。
じつによくできた語呂合わせですが、1988年に財団法人余暇開発センター(現日本生産性本部)によって提唱された記念日です。その後、落語家の桂文珍さんを名誉会長とする「いい夫婦の日」をすすめる会が設立され、普及を推進。99年からは毎年、アンケートを基に理想の夫婦・カップルにふさわしい「パートナー・オブ・ザ・イヤー」を選出しています。
第1回の99年の江口洋介・森高千里夫妻をはじめ、多くの有名人が選ばれていますが、その顔ぶれも多彩です。2000年には中村橋之助・三田寛子夫妻、11年には高橋ジョージ・三船美佳夫妻(現在は離婚)と、今となってはなかなか考えさせられるカップルも見えます。最近は一般にも認知されるようになり、11月22日に入籍するカップルも増えてきています。
それにしても、いい夫婦とは何でしょうか。かつて、哲学者プラトンは『饗宴』において、元来が1個の球体であった男女が、離れて半球体になりつつも、元のもう半分を求めて結婚するという「人間球体説」を唱えました。本当に自分にふさわしい相手がさがせないなら、あるいは間違った相手と一緒になってしまったのなら、それは、わたしたちが何か義務を怠っているからだ。そして、精力的に自分の片割れをさがし、幸運にも恵まれ、そういう相手とめぐり合えたならば、言うに言われぬ喜びが得られることをプラトンは説いたのです。
結婚相手と出逢うことは奇跡にほかならなりません。そもそも縁があって結婚するわけですが、「浜の真砂」という言葉があるように、数十万、数百万、いや数千万人を超える結婚可能な異性のなかからたった1人と結ばれるとは、何たる縁でしょうか!
わたしたち夫婦は、88年に結婚しました。
「いい夫婦の日」が初めて提唱された年であり、大晦日に解散するSMAPが結成された年でもあります。わたしたちは解散しないように頑張りたいと思います。
「サンデー毎日」11月27日号の表紙
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2016年11月15日 佐久間庸和拝
[お知らせ]大陥没事故現場へ!
15日、一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助会協会(全互協)の九州ブロックの第97回総会に参加するため、博多へ向かいました。博多といえば、JR博多駅前の大陥没事故で通行止めになっていた道路が、15日午前5時に通行再開しました。
JR小倉駅の前で
JR博多駅の前で
早速、わたしは陥没の現地を訪れました。とは言っても、野次馬ではありません。今日は全互協の九州ブロック総会が博多で開催されるので、ブロック長として参加するのです。
さあ、大陥没事故現場へ!
大陥没事故現場が見えてきました
事故現地には多くの人々がいて、写メを撮影していました。
この人たちは、インスタにでも投稿するのでしょうか?
中には中国人の家族連れなどが記念撮影していたりして、さながらカオス状態になっていました。
これが博多の大陥没事故の現場だ!!
大陥没事故の現場にて・・・・・・
それにしても、こんな博多のど真ん中に大穴が開いたとはビックリです!
ばってん、死者はもちろん、怪我人などが出なくて良かったですたい!
視察を済ませたわたしは、九州ブロックの会場である結婚式場「RITZ5」に向かいました。
怪我人が出なくて良かったですたい!
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2016年11月15日 佐久間庸和拝
[業界だより]九州ブロック総会
15日、一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助会協会(全互協)の九州ブロックの第97回総会に参加するため、博多へ向かいました。ブログ「大陥没事故現場へ!」で紹介したように、JR博多駅前の大陥没事故で通行止めになっていた道路が、15日午前5時に通行再開していましたので、現地を視察してきました。野次馬ではありませんよ!
大陥没事故の現場にて
RITZ5の前で
会場の結婚式場「RITZ5」には正午前に到着。12時から、昼食を取りながら九州ブロックの拡大理事会を開催しました。今回から、わたしは6年ぶりにブロック長を拝命しています。ブロックの事務局長はわが社の松田哲男取締役です。

- 作者: 一条真也
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 2016/11/08
- メディア: 単行本
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この日は、全互協の齋藤斎会長も参加して下さいました。
齋藤会長が社長を務められているベルコさんからは拙著『儀式論』(弘文堂)に大量のご注文をいただきましたので、心からの御礼を申し上げました。また、業界随一の読書家として知られる柴山文夫社長率いるラックさん、互助会政治連盟会長である吉田茂視社長率いるメモリードさんをはじめ、九州ブロック加盟の複数の互助会からも注文が入りました。
さらには版元である弘文堂から、全互連の仲間である日本セレモニーさんや日冠さんや三重平安閣さんより大量注文が入ったとの連絡が入りました。嗚呼、徳は弧ならず必ず隣あり! みなさん、本当にありがとうございます!
司会を務めた松田事務局長
サンレー勢も多数参加!
続いて、13時半からは九州ブロック総会を開催しました。メモリード、セルモ、ラック、日本フェニックス、サニーライフ、ユウベルをはじめとする九州の有力互助会のオーナーや社員の方々が一堂に会しました。もちろん、わが社、サンレーも多数で参加しました。
「開会の辞令」と感謝の言葉を述べるセルモの安田会長
感謝の言葉を述べるユウベルの上田副社長
冒頭、セルモの安田会長が「開会宣言」を行い、続いて熊本地震の支援への感謝の辞を述べました。同じく熊本で被災したユウベルの上田副社長も感謝の辞を述べました。思えば、前回の九州ブロック総会は今年の4月13日に開催されました。そこで災害支援機構システムについても話し合われたのですが、皮肉にもその翌日、熊本地震が発生したのでした。
ブロック長挨拶のようす
それから、わたしが登壇し、ブロック長の挨拶を行いました。
わたしは、「全互協九州ブロック長の佐久間でございます。本日は、お忙しい中を、九州ブロック総会にこのように多数ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。また、九州経済産業局の橋本課長様をはじめ、ご来賓のみなさまにおかれましては、ご公務多忙中にもかかわりませず、わざわざご臨席賜りまして誠にありがとうございます」
世の中、何が起こるかわかりません!
それから、わたしは以下のように述べました。
「世の中、何が起こるかわかりません。アメリカ大統領選ではまさかの結果が出ましたし、博多駅前には大きな穴が開きました。10年後には、今ある約半数の仕事が消えると言われていますが、仕事がなくなるのは、その仕事の価値が大きく下がるからです。そして、その原因としては3つあります。(1)供給過剰、(2)技術革新、(3)消費者の行動の変化です。
人口が減少し、寺院も神社もどんどん消えていくと言われています。互助会も消えるのでしょうか。もちろん、業界の再編成は必ずあるでしょう。しかし、わたしは冠婚葬祭互助会業界は絶対に消えないと考えています。なぜなら、儀式を行うことは人間の本能に根ざしているからです。儀式とは人類の行為の中でも最古のものです。ネアンデルタール人も、現生人類(ホモ・サピエンス)も埋葬をはじめとした葬送儀礼を行っていました。人類最古の営みといえば、他にもあります。石器を作るとか、洞窟に壁画を描くとか、雨乞いの祈りをするとか。しかし現在、そんなことをしている民族はいません。儀式だけが現在も続けられているのです。最古にして現在進行形ということは、儀式という営みには普遍性があるのではないでしょうか。ならば、人類は未来永劫にわたって儀式を続けるはずです。そして、日本人が儀式を行うための最高の受け皿が冠婚葬祭互助会ではないでしょうか?」
本日のテーマについて説明しました
さらに、わたしは以下のように述べました。
「本日の総会では、全互協の新しい取り組みである、2つのテーマについて説明会がございます。1つは「オーダーメイド型契約約款」、もう1つは『独居者等支援協定』についてです。それ以外の理事会報告でも、みなさま方1社1社に賛否アンケートの提出がある『新セーフティネット』、また、『自主規制団体化』、『情報公開』、『解約手数料裁判』などの重要テーマもございます。これらの案件が齋藤会長の強いリーダーシップのもとで進んでいるわけですが、後ほど齋藤会長ご自身からもお話があります。今日は、わたしもしっかりと勉強させていただきたいと思っております」
どうぞ、よろしくお願い申し上げます!
そして最後に、わたしは以下のように述べました。
「本日のブロック総会がみなさまのご協力によりまして、滞りなく終了いたしますように、また、九州ブロックがさらなる発展に向けて邁進できますように、ご期待申し上げまして、わたくしの挨拶とさせていただきます。どうぞ、よろしくお願い申し上げます!」
挨拶する全互協・齋藤会長
挨拶する互助会保証・藤島社長
拝聴する理事の人びと
その後、「全互協会長挨拶」として齋藤会長の挨拶、「ご来賓挨拶」として経済産業省 九州経済産業局 産業部消費経済課の橋本祟雄課長、互助会保証株式会社の藤島安之社長、日本割賦保証株式会社の知久多喜眞社長より御挨拶がありました。
柴山前ブロック長に感謝状を贈呈
牧山前事務局長へ感謝状を贈呈
3人で記念撮影しました
それから、感謝状贈呈です。わたしは、ブロック長として、前ブロック長の柴山文夫様、前事務局長の牧野昭広様に感謝状をお渡ししました。
議長として議事を進行しました
議案が滞りなく採決されていきました
そして、いよいよ議題に入りました。わたしが議長に選出され、登壇して議事を進行しました。九州ブロック平成27年度決算報告・28年度計画、および全互協理事会報告、その他についての議案が滞りなく採決しました。
全互協事務局による「説明会」のようす
二大テーマについて詳しく説明しました
積極的に質問するサンレー勢
「閉会の辞」を述べる守屋社長
15時40分からは全互協事務局による「説明会」です。全互協の二大テーマである「オーダーメイド型契約約款について」、「独居者等支援協定について」の説明が2時間にわたって詳しく行われました。参加者一同、真剣に耳を傾けていました。学ぼうとしない企業、向上心のない企業に未来はありません。わがサンレー勢も積極的に質問していました。
最後は、日本フェニックスの守屋社長による「閉会の辞」がありました。
懇親会の冒頭でも挨拶しました
50周年を目前にした心境を述べました
18時からは、九州ブロック懇親会が開催されました。
わたしはブロック長として冒頭に挨拶し、以下のように述べました。
「6年ぶりにブロック長を拝命し、無事に最初の総会を終えることができて安心いたしました。あと3日、今月18日に弊社は創立50周年を迎えます。わたしも社長に就任して15年が過ぎました。弊社は15年前にこの業界から退場するかもしれませんでしたが、なんとか今日までやってこれました。どうやら、50周年を迎えられそうです。それも、ひとえに業界のみなさま、特に九州ブロックのみなさまの温かい励ましがあったからだと心より感謝いたしております。本当に、ありがとうございました。全互協には10のブロックがありますが、九州ブロックは最高だと思います。九州の男は、熱くてハートがあります。ぜひ、これからも西から風を吹かせて、業界全体を活性化させましょう!」
メモリード・吉田社長による乾杯の音頭
カンパ〜イ!
懇親会のようす
佐久間室長とともに藤島社長を囲む
その後、懇親会では業界の大先輩方とお話しさせていただきました。
大いに情報交換、意見交換をさせていただきました。
とても有意義な時間を過ごすことができました。
山根会長の中締めの挨拶で檀上へ呼ばれる
中締めは、西九州互助センターの山根会長にお願いしました。
山根会長はステージに上がるなり、「明るく楽しい山根です!」と言い放ち、会場の人々の度肝を抜きました。それから、「あと3日で50周年を迎えられるサンレーさん、上がってきて下さい」と言い、わたしがステージに呼び込まれました。さらに「保証会社の社長さん、いろいろ苦労された末に50周年を迎えられるサンレーさんに対して一言お願いします」と言われました。
藤島社長と50周年祝いの握手を交わす
藤島社長は「50周年、おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。これまで、本当に良く頑張ってこられましたね、素晴らしい!」と言って下さいました。それを聴いたとき、わたしは全校生徒の前で校長先生から褒められた小学生のような幸せな気分になりました。
そして、檀上で藤島社長と固い握手を交わし、胸がいっぱいになりました。
最後は、山根社長による「一本締め」で終了しました。
みなさま、今夜は本当にありがとうございました!
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2016年11月16日 佐久間庸和拝
[言いたいこと]徳は弧ならず必ず隣あり
『儀式論』(弘文堂)がおかげさまで好評です。
『唯葬論』(三五館)がこれまでの集大成的作品なら、この『儀式論』は新しい出発の書かもしれません。そして、わが「世直し」の書です。大いなる使命感をもって書きました。
『儀式論』に続々と賛同者が!
日本を代表する宗教学者の先生方からも続々とコメントが届いています。
まずは、東京大学名誉教授で上智大学グリーフケア研究所所長の島薗進先生から「大著の『儀式論』は宗教学の重要領域に踏み込んでおられ、意義深いご著作ではないかと思います」というメールをいただきました。また、京都大学名誉教授で上智大学グリーフケア研究所特任教授の鎌田東二先生からは「渾身の力作大著。儀式総決算も総決算。これまで勇猛果敢に実践的儀式論を展開してきた一条真也『儀式理論神学』の確立ですね! すばらしい!すごい!すてき!」というメールをいただきました。
さらには、『儀式論』でご著書から多くの引用をさせていただいた福井大学名誉教授の小林道憲先生からは直筆のお手紙を頂戴し、そこには「素晴らしい名著の読書案内の書にもなっていて、これも一条本のひとつの魅力かと思います。さらに同時に文化人類学的業績にもなっていて、不思議な魅力をもった御著書です。『唯葬論』とともに『儀式論』は今までのお仕事の集大成だと思いました。これで理論武装は完成しましたね」と書かれていました。
本当にありがたいお言葉です。先生方に心より感謝申し上げます。
また、版元である弘文堂さんには、冠婚葬祭互助会業界の各社から続々と注文のFAXが入っています。中には、信じられないような大量注文もあり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。昨夜は大手互助会であるメモリードさんとユウベルさんからも「ぜひ、注文させて下さい」とのお言葉を頂戴しました。まことに嬉しく、ありがたいことです。
現時点で、ご注文いただいているのは以下の互助会さんです。50音順になっています。
あいネットグループ様
(株)アークベル様
(株)アスピカ様
(株)117様
(株)出雲殿様
(株)サン・ライフ様
(株)サンリード様
(株)ジョイン様
(株)セレモニー様
(株)千代田様
(株)名古屋冠婚葬祭互助会様
(株)ナウエル様
(株)日本セレモニー様
(株)日冠様
(株)ハートフル様
(株)博全社様
(株)富士平安閣互助会様
(株)平安(神戸)様
(株)ベルコ様
(株)ベルモニー(高松)様
(株)ベルモニー(松山)様
(株)三重平安閣様
(株)ライフシステム様
(株)ラック様
(株)レクスト様 (50音順)

- 作者: 金谷治訳注
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1999/11/16
- メディア: 文庫
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『論語』里仁篇には「徳は弧ならず必ず隣あり」という言葉があります。
「徳のある者は孤立することがなく、理解し助力する人が必ず現れる」という意味です。
今回ほど、孔子が述べたこの言葉が身に沁みることはありません。
もちろん、わたしは「徳のある者」などではありませんが、「儀式バカ一代」として、儀式の重要性を世間に訴えたいと思う気持ちは強く持っています。その気持ちに、業界のお仲間のみなさんが共感していただいたことに対して、かたじけなさに涙こぼるる思いです。
今回、何よりも嬉しいのは、弟である佐久間康弘(全互協・政策統括室長)が積極的に業界の各社に『儀式論』を案内してくれていることです。今まで、こんなことはなかったので、わたし自身驚いていますが、彼のおかげで毎日のように『儀式論』の注文FAXが全国各地から届くのです。最大の「隣人」とは家族だと思いますが、たった1人の弟が『儀式論』に込めたわたしの想いを理解してくれたことが本当に嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいです。わたしがカラオケでよく歌う北島三郎の「兄弟仁義」には、「親の血を引く兄弟よりも、固い契りの義兄弟♪」という歌詞がありますが、やはり本物の兄弟はありがたいものです。血は水よりも濃し!
佐久間室長から届いた新記事のコピー

- 作者: ウィトゲンシュタイン,野矢茂樹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/08/20
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ちなみに、弟は最近、「人間は儀式的動物である」というウィトゲンシュタインの言葉を座右の銘にしているようです。今日も、「ウィトゲンシュタインに光」という新聞記事のコピーが届きました。ルートビッヒ・ウィトゲンシュタインは「20世紀最高の哲学者」と呼ばれた人物で、実質的に『論理哲学論考』の1冊しか著書を残しませんでした。そこに記された「人間は儀式的動物である」という言葉を論証しようという試みが『儀式論』です。

- 作者: 一条真也
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 2016/11/08
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わたしは、これからも「儀式バカ一代」として、儀式文化の継承と創新のために全力を尽くす覚悟です。思えば、50年前の中国・文化大革命における「批林批孔運動」で孔子の「礼」の思想は徹底的に批判されました。まさにそのとき、日本で誕生したのが「創業守礼」「天下布礼」を掲げるわが社だったのです。サンレー創立50周年まで、あと2日!
サンレー本社のカウントダウンボード
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2016年11月16日 佐久間庸和拝
[言いたいこと]「儀式讃」と算盤
いよいよ、サンレー創立50周年まで、あと1日となりました。
連日、日本を代表するインフラ企業や大手都市銀行の責任者の方々が、お祝いのために御来社いただき、ひたすら恐縮しております。また、ブログ『儀式論』で紹介した最新刊がおかげさまで好評です。全国の冠婚葬祭企業や神社仏閣から多くの注文を頂いています。
サンレー創立50周年まで、あと1日!
「儀式讃」と算盤
『儀式論』の巻末に、ブログ「儀式讃」で紹介した文章を掲載いたしました。
わが儀式への想いをまとめまたものですが、『古今和歌集』で紀貫之が和歌への想いを綴った「仮名序」をイメージして作成しました。ブログ『歌と宗教』で紹介した鎌田東二先生の著書を読んで「仮名序」を知ったのですが、“へっぽこ歌人”のハートにヒットしました。
企業の発展には、理念と利益の両方が必要です。ドラッカーが喝破したように「利益と は企業存続のためのコストである」と言えます。「論語と算盤」を唱えたのは渋沢栄一翁ですが、わたしは「儀式讃と算盤」ということで、「礼経一致」を実現したいです。
『論語』と「儀式讃」
さて、「儀式讃」ですが、本当は「儀式序」として『儀式論』の巻頭に置こうかとも考えました。しかし、それだと14章にわたる論考の意味がなくなると思い、巻末に「儀式讃」として掲載した次第です。「儀式讃」というタイトルも、鎌田先生のアドバイスによるものです。
書道家の福成喜光先生に依頼して巻物に毛筆で書いていただいた「儀式讃」を『儀式論』の巻末に8ページにわたって掲載いたしました。「儀式讃」の全文は以下の通りです。
儀式讃
かたちは人の心をたひらけくやすらけく
揺るがぬものとなすべきものなり
つらつら感ずるにかたちにはちからあるなり
いにしへよりかたちのことを儀式となづく
まこと儀式にはちからあるなり
みたまがこころもとなく揺れしとき
儀式はその大いなるちからによりて
人の心をばきよく美しくたくましくしたまふ
ひとびとの心を定め幸ひを
与ふるかたち儀式と呼べり
この世に生まれし赤子のみたまを
すこやかにはぐくみ
おとなとならしむるために儀式あり
初宮参り七五三成人式これなり
おとなとなりし良き偉丈夫と乙女が結ばるるには
かたちをもととなすべきなり
ふたつのみたまを結ぶかたちを結魂といふ
結納の式結婚の式披露の宴あはさり
ひとつとなりて
やうやうみたまはふかく結ばるるものなり
あいむつみて子をなし
ただしき人の道をあゆみて
世のため人のために尽くす姿をもって
子をはぐくみ
その節々に儀式を執りおこなひて
こころきよくまことにただしきひととなすなり
人は老いるほどに豊かなこころとなれるとはいへ
光陰は矢の如く
やがて身は果つること世のならひなり
されど日の本には
老いゆく人のこころもとなきみたまを
たひらけくする儀式あり
長寿祝ふこれなり
還暦古稀喜寿傘寿米寿卒寿白寿などあり
還暦は生まれし年と等しき干支の年を
迎ふることより暦に還るといふ
古稀は杜甫の言の葉にある
人生七十年古来稀也に由来するなり
喜寿は喜の草書に由来し
傘寿は傘の略字に通ずることによる
米寿は八十八が米の文字に通ずることによる
卒寿は卒の略字が九十に通ずることによる
白寿は百から一を除きて白の文字となれるによる
而して黒髪に霜の降るとはいへ
みたまはやうやう豊かになり神に近づく
されどひとの命ははかなきものなり
無常たちまちにいたれり
洋の東西を問はずおよそ身罷らざるものなし
されば明日はあらじと思ひ定むる覚悟をもつべし
愛しきものを喪へる人の心は
荒海にたゆたふ小舟のごとし
佛の道によれる弔ふとは
物語といふかたちの慰めなり
物語よく慰撫するかたちあることを学すべし
物語によりて
みたまはとこしへに栄ゆるものとなり
子々孫々を守り導くこと疑ふなかれ
かたちにはちからがあると思ほゆを知る
送る儀式が要らぬはずなし
送魂と名づくる所以なり
斯くの如く儀式こそ人を人ならしむるものなり
まさに知るべし
儀式はあまねく人の世を照らし導くものなり
まこと儀式にはちからあるなり
これが「儀式讃」のオリジナルだ!
「儀式讃」はこんなに長い!
わたしは、合計600ページの『儀式論』を何かに取り憑かれたように一気に書き上げました。「俺が書かねば誰が書く」という大いなるミッションを感じながら、ドン・キホーテのような心境で書きました。「儀式讃」は、天から文章が降ってくるようなイメージで一晩で書きました。
わがサンレーでは、この「儀式讃」を創立50周年を記念する新たな(古き?)ミッション・ステートメントとして位置づけたいと思います。また、神社の神官に朗誦していただき、それを動画としてネットにアップする予定です。『儀式論』をご購入いただいた多くの冠婚葬祭企業のみなさまも、ぜひ、この「儀式讃」のメッセージから日々の業務に活かせるヒントを見つけていただければ幸いです。
「儀式讃」と胡蝶蘭
『儀式論』(弘文堂)のチラシ
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2016年11月17日 佐久間庸和拝
[お知らせ]庸軒ごよみ2017
2017年度の「庸軒ごよみ」が完成しました。
わたしが「庸軒」の雅号で詠んだ短歌を掲載したカレンダーです。
1年が過ぎるのは早いもので、もうカレンダーの季節なのですね。
2017年度版ができました!
誕生のきっかけは、2006年のサンレー創立40周年にあたり、記念に作成し、各方面にお配りしたことです。すると、嬉しいことに、予想を超える高い評価を賜りました。さらには、「また作ってほしい」との要望をたくさん頂戴しましたので、翌年からも作ることにした次第です。
明日の11月18日はサンレー創立50周年の記念日です。
松柏園ホテルで開催される「創立50周年記念祝賀会」の終了後に、このカレンダーを紅白饅頭と一緒に参加されたOBおよび全社員に配ります。また、互助会の会員様や弊社施設のお客様などで希望者があれば、できるだけお渡しするようにしています。
「庸軒ごよみ」1月〜3月
「庸軒ごよみ」4月〜6月
「庸軒ごよみ」7月〜9月
「庸軒ごよみ」10月〜12月
このカレンダーには、わたしが詠んだ12首の短歌が掲載されています。
いずれも、石田梅岩の「心学」で盛んだった“道歌”を意識して詠んだものです。
12首の道歌は、以下のとおりです。「無縁社会」を吹き飛ばし、「有縁社会」そして「心ゆたかな社会」としてのハートフル・ソサエティの到来を呼び込むための言霊を集めました。
1月 岩戸開き世を照らし出す陽の光 儀式で拓く世直しの道
2月 日頃より問題意識抱きつつ 高き視点で考へるべし
3月 鎮魂のTSUNAMI歌へば光射す 深い闇にも夜明け来れり
4月 散る桜残る桜も散るならば なずべきことを想ふて果たせ
5月 世の中をより良くできる考へは 知るのみならず行ふがよし
6月 愛し合ふ二人の縁が結ばれて 家族の絆ここに強まる
7月 幸せは親に感謝し 成功は志から これぞ法則
8月 ひめゆりよ知覧ヒロシマ長崎よ 手と手あわせて祈る八月
9月 目に見えぬ縁と絆を目に見せる 素晴らしき哉 冠婚葬祭
10月 旅行けば 同じもの見て感動し ともに飲み食ひ心はひとつ
11月 かたちにはちからがあるを口癖に つづく儀式に こころが宿る
12月 自らの使命を知れば迷ひなく 有縁めざして世直しすべし
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2016年11月17日 佐久間庸和拝
[会社だより]サンレー創立50周年記念式典
ついに、2016年11月18日になりました。
今日は、株式会社サンレーの50回目の創立記念日です。
朝から松柏園ホテルの顕斎殿で、奉告祈願祭が執り行われました。戸上神社から是則神職にお越しいただき、滞りなく神事を行いました。玉串奉奠をするとき、わたしは「50周年を無事に迎えさせていただき、ありがとうございました」と心からの感謝を神前に捧げました。
今朝の神事のようす
感謝の気持ちでいっぱいでした
玉串奉奠する佐久間会長
わたしは柏手を打ちました
一同礼!
その後、500名を超える社員が参集して、「創立50周年記念式典」が開催されました。
最初に、50周年CMが放映されました。それから、佐久間進会長とわたしが入場しました。
会長とともに入場しました
渕上副支配人による「ふれ太鼓」
一同礼!
最初は物故者への黙祷を行いました
まず、北九州紫雲閣の渕上亨副支配人による「ふれ太鼓」で幕を明け、総務課の國行昭年課長による「開会の辞」に続いて、50年間の会社関係物故者に対して哀悼の誠を捧げ、黙祷を行いました。
社歌斉唱のようす
各地の事業部も社歌を歌う♪
会長&社長も社歌を歌う♪
経営理念唱和のようす
それから、全員で社歌を斉唱し、それから戸畑営業所の浦壁俊幸所長によって「経営理念」「S2M宣言」が読み上げられ、全員で唱和しました。
創立50周年記念式典のようす
会長訓示のようす
それから、佐久間進会長の訓示です。
まずは、「50周年を一緒に迎えることができて嬉しく思います」と述べました。それから、会長は「この業界も、林業や漁業を抜いて2兆円産業となりました。互助会の法制化を担当した者として、感無量です。わたしは『五徳の指針』というものを大事にして今日まで来ました。それは、『花ひらく音を聞け』『世間の調音に聞け』『天の声を聞け』『人の心に聞け』『自分自身の心意気に聞け』というものです。これは、中国の文部大臣を務めながら、毛沢東に追われて日本に亡命した胡蘭成という方から教えていただきました」
半世紀を振り返る佐久間会長
それから佐久間会長は、「いま、わたしは心の中でこの半世紀を振り返っています。この仕事ほど良い仕事はないと思います。そして、冠婚葬祭業は礼の道であり、幸せへの道であると思います。何ごとも陽にとらえて、明るく楽しく前向きに仕事に取り組んでいきましょう!」と述べました。正直、80代になってから少々老け込んだなあと思っていたのですが、今日の会長は声にも張りがあり、矍鑠としていました。わたしは息子として「すごいなあ!」と思いました。
社長訓示を行いました
続いて、わたしの「社長訓示」の時間となりました。わたしは、まずは「本日、無事に50周年を迎えることができました。社員のみなさまとそのご家族には心より感謝しています。本当にありがとうございます」と述べました。それから、以下のような話をしました。
50年前、つまり1966年はイギリスで音楽革命を起こしたビートルズが来日して、空前の大ブームを巻き起こしました。彼らの影響で日本には多くのグループサウンズが生まれ、若者たちの間では長髪が流行しました。 アメリカでは大衆文化の革命を起こしたウォルト・ディズニーが亡くなり、中国では毛沢東が「文化大革命」を起こしました。そんな年に誕生したサンレーは、日本で冠婚葬祭の文化大革命を起こす道を歩んできたように思います。
五十にして天命を知る!
社長訓示オンライン
早いもので、わたしも社長に就任してから15年が経ちました。
『論語』には「五十にして天命を知る」とあります。いわゆる「知命」として知られていますが、そもそも「命」とは何でしょうか。
陽明学者の安岡正篤によれば、何でもないことのようで、実は自分を知り、自力を尽くすほど難しいことはないそうです。自分がどういう素質能力を天から与えられているか、それを称して「命」と呼びます。それを知るのが命を知る「知命」ということです。知ってそれを完全に発揮していく、すなわち自分を尽くすのが「立命」です。
「命」とは何か?
『論語』の最後には、命を知らねば君子でないと書いてありますが、これはいかにも厳しく正しい言葉だと言えるでしょう。命を立て得ずとも、せめて命を知らなければ立派な人間ではありません。「命」とは、いかようにも変化するものです。つまり、動きのとれないものではなく、動くものであるという意味において「運命」とも言います。運は「めぐる」「うごく」という文字なのです。異色の哲学者として知られた中村天風によれば、運命には二種類あるそうです。すなわち「天命」と「宿命」の二つです。天命は絶対で、宿命は相対的なものであるといいます。この天命こそ、「ミッション」という言葉で表現されるものでしょう。
ミッション・マネジメントについて
熱心に聴く人びと
現在、ミッション・マネジメントという言葉をよく聞きます。
「ミッション」という言葉は、もともとキリスト教の布教を任務として外国に派遣される人々を意味する言葉でした。しかし、現在はより一般的に、何らかの任務を担って派遣される使節団やそうした任務のもの、あるいは「社会的使命」を意味するようになってきています。ミッション経営とは、社会について考えながら仕事をすることであると同時に、顧客のための仕事を通して社会に貢献することです。すなわち、顧客の背後には社会があるという意識を持つ経営です。
「会社は社会のもの」である!
熱心に聴く人びと
「会社は社会のもの」と喝破したのは、世界最高の経営学者として知られたピーター・ドラッカーです。わが社は、「選択と集中」「知識化」「イノベーション」など、数々のドラッカー理論に基づいて経営されました。 会社は社会のものであるということは、会社は社会を構成する大きな要素だということです。多くの会社が心ある存在になれば、心ある社会が生まれるのではないでしょうか。
ミッションが企業価値を高める!
ミッションが企業価値を高める時代になってきました。目の前の利益だけを追い求める企業よりも、社会的使命としてのミッションの意識を明確に持って活動する企業が顧客と社会によって高く評価され、発展していくことになります。その意味で、ミッションとは企業の命そのものと言えるでしょう。ドラッカーは「仕事に価値を与えよ」と述べていますが、これはとりもなおさず、その仕事の持つミッションに気づくということにほかなりません。
冠婚葬祭業ほど価値のある仕事はない!
わが社は冠婚葬祭業を営む会社ですが、わたしは、この仕事くらい価値のある仕事はないと心の底から思っています。2001年10月の社長就任時、わたしは「冠婚葬祭業とは哲学産業であり、芸術産業であり、宗教産業である」と訴えました。また、「結婚は最高の平和である」と「死は最大の平等である」を二大テーゼに、結婚式や葬儀の一件一件が人類の「平和」「平等」の実現につながっていると説きました
「S2M宣言」について
熱心に聴く人びと
ミッションを明確に成文化して述べたものが、「ミッション・ステートメント」です。わが社では、36回目の創立記念日より、大ミッションを「人間尊重」、小ミッションを「冠婚葬祭を通じて、良い人間関係づくりのお手伝いをする」と定めました。そして具体的なステートメントとして、じつに3年にわたって、8項目からなる「S2M宣言」を定めました。この「S2M」こそ、わが社の命そのものと言えるでしょう。
なぜ、冠婚葬祭互助会は誕生したか?
いま、「無縁社会」などと呼ばれます。血縁や地縁が薄れる中で、日本における互助会の持つ社会的使命は非常に大きいものがあったと考えています。戦後に互助会が成立したのは、人々がそれを求めたという時代的・社会的背景がありました。もし互助会が成立していなければ、今よりもさらに一層、「血縁や地縁の希薄化」は深刻だったかもしれません。つまり、敗戦から高度経済成長にかけての価値観の混乱や、都市部への人口移動、共同体の衰退などの中で、何とか人々を共同体として結び付けつつ、それを近代的事業として確立する必要から互助会は誕生したのです。
互助会の新しい使命とは?
熱心に聴く人びと
そして、これまで多くの人々を助けてきたはずです。しかし、成立から半世紀以上を経て、互助会も一種の制度疲労を起こしている可能性があると思います。制度疲労であれば、ここで新しい制度を再創造しなければなりません。「隣人祭り」「ともいき倶楽部」「お隣りさん、いらっしゃい」などの各種の高齢者イベントなど、「豊かな老い」を実現するお手伝いをする。互助会のアップデートはこれに尽きるでしょう。高齢者の方々に「生きがい」を与えて、「豊かな老い」を迎えていただくお手伝いをすることが互助会の新しい使命ではないでしょうか。
かねてより天からの命おぼゆれど わが社(やしろ)いま知命迎へり
ホテル、結婚式、葬儀、写真、司会、コンパニオン派遣、生花、清掃、そして介護・・・わが社が関わるすべての事業は、良い人間関係づくりのお手伝いをし、社会を明るくする仕事です。サンレーグループは、これからも人間尊重思想を広める「天下布礼」という天命を知り、ミッショナリー・カンパニーをめざします。この大いなる使命を果たすには、みなさん全員の力が必要です。わたしは、「今後とも、よろしくお願いいたします!」と述べました。
そして、最後に次の道歌を披露して、檀上から降りました。
かねてより天からの命おぼゆれど
わが社(やしろ)いま知命迎へり (庸軒)
功労者表彰のようす
それから、50周年記念表彰式が行われました。
まずは、「功労者表彰」として以下の8名の方々を表彰させていただきました。
( )内の役職は、すでに退職された方の最終役職です。
●高橋幹之様 相談役 沖縄本部
●関谷勝年様 (常務取締役) 北九州本部
●橋本洋介様 (常務取締役) 北九州本部
●山秀寛様 室長 大分事業部
●内原義正様 (総支配人) 北九州本部
●岸菜清房様 部長 北九州本部
●古庄一男様 ゼネラルマネージャー ハートピア
●中野正行様 相談役 北九州本部
表彰状と功労金、それに記念品として『儀式論』(弘文堂)を贈らせていただきました。
この方々は、「儀式」という仕事を天職として偉大な人生を送られた方々だからです。久々にお会いした懐かしい方もおられ、わたしは感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。
本当に、今日は来ていただいて、ありがとうございます!
功労者表彰のようす
功労者表彰のようす
一同に並んだ功労者のみなさん
それから、「営業功労者表彰」として以下の7名の方々を表彰させていただきました。
( )内の数字は、勤続年数です。40年以上の方が3人もおられます。
●森シゲ子様 (41年9ヶ月) 行橋営業所
●清澄智恵子様 (41年6ヶ月) 田川営業所
●酒井五月様 (41年7ヶ月) 小倉営業所
●島田貴美重様 (39年5ヶ月) 北陸本部 泉野営業所
●西野外茂子様 (38年11ヶ月) 北陸本部 小松営業所
●勝田幸子様 (38年7ヶ月) 北陸本部 金沢営業所
●玉城正子様 (22年) 沖縄本部 東部営業所
互助会を支えているのは、なんといっても募集営業です。
この方々は、長年にわたって営業のスーパースターとして、わが社を支えて下さいました。1人1人のお顔を見ているうちに、わたしの目頭は熱くなりました。
営業功労者表彰のようす
一同に並んだ営業功労者のみなさん
「おもてなし文化賞」表彰のようす
「おもてなし文化賞」表彰者の方々
そして、「おもてなし文化賞」として、佐久間会長から以下の3名の方々に表彰状と記念品が贈られました。
●末延貞子様
●菊谷ミツエ様
●福成清子様
大声を張り上げる玉中取締役
「和のこえ」のようす
最後は、もちろん一同礼!
表彰されたみなさん、おめでとうございます! 本当に、人こそが、わが社の宝です。
それから、全員で手をつないでのサンレー名物「和のこえ」です。
サンレー史上最も声が大きいといわれる玉中秀基取締役が音頭を取り、「がんばろー」を3回連呼し、記念式典がめでたく終了。松柏園ホテルの写場へと移動し、役員一同と表彰者のみなさんで記念撮影しました。この後は、創立50周年記念祝賀会です!
表彰者のみなさんと記念写真を撮影しました
佐久間会長とツーショットを撮影しました
良い思い出になりました
「毎日」「朝日」「読売」「西日本」新聞11月18日朝刊掲載広告
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2016年11月18日 佐久間庸和拝
[会社だより]サンレー創立50周年記念祝賀会
今日は、わが社の50回目の創立記念日です。ブログ「サンレー創立50周年記念式典」で紹介したセレモニーに続いて、50周年記念パーティーが開催されました。今回は、功労者表彰を受けられた方々をはじめ、なつかしいOBの方々も参加されました。
オープニングムービー
オープニングムービー
オープニングムービー
祝賀会の冒頭に挨拶しました
最初は、50周年記念のオープニングムービーが上映されました。
司会者による「開会の辞」に続いて、社長のわたしが挨拶をしました。
わたしは、最初に「今日は、とても嬉しいです。特に嬉しいのは、OBのみなさまが来て下さったことです。みなさまのおかげで、サンレーは創立50周年を無事に迎えることができました。本当にありがとうございました!」と述べました。
「人生の幸福」について述べました
それから、わたしは次のように述べました。
「人生の幸福というものは、誇りに関わっているそうです。誇りのある人生が幸福な人生だというわけです。そして、誇りというものは仕事に関わっています。昨日、創業当時に働いていただいた80代の女性の方から丁重なお手紙を頂戴しました。その方は、祝賀会の案内状が届いて、懐かしくて、嬉しくてたまらず、すぐ出席の返事を出されたそうです。しかし、このところ体調がすぐれないそうで、やむなく今日は欠席されています。その方は長文のお手紙に、仕事の思い出、赤ちゃんだったわたしを抱いて下さったこと、さまざまなことを綴って下さいました。そして最後に、『サンレーに入社して本当に良かったと思っています』と書いて下さいました。わたしは、それを読んで感動しました」
末永くサンレーをよろしくお願いいたします!
そして、わたしは次のように述べました。
「サンレーで働かれたすべてのOBのみなさまが『冠婚葬祭互助会という素晴らしい仕事に携わった』『サンレーに入社して本当に良かった』と思っていただけるように、わたしをはじめ、これからも後輩一同は頑張っていきたいと思います。50周年を機に、OB会も設立される話があるようですが、御縁をいただいたみなさまには末永くサンレーをよろしくお願いいたします!」
ともに50周年を大いに祝おうではありませんか!
最後に、わたしは「みなさん、今日は50周年の祭りです。儀式の後には直会、セレモニーの後はパーティーです。食べて飲んで歌って踊って、ともに50周年を大いに祝おうではありませんか。よろしくお願いいたします!」と述べました。
花束を贈呈されました
花束嬢と記念撮影
会長と「くす玉」の前に立つ
「くす玉」が割れた瞬間
佐久間会長と記念撮影
挨拶を終えると、盛大な拍手が起こりましたが、司会者が「佐久間会長もご登壇下さい」とアナウンスし、佐久間会長が登壇しました。わたしたちは2人揃って、社員の代表者から花束を贈呈されました。わたしは会社が最も苦しかったときに社長に就任したときのことを思い出し、「ああ、無事に50周年を迎えられて良かったなあ」と心の底から思いました。それから、佐久間会長とわたしはステージの左端に移動し、オープニングセレモニーとして、くす玉を割りました。くす玉が割れた瞬間は、飛び上がって喜びを表現しました。
東常務による乾杯の挨拶
カンパ〜イ!
祝宴のようす
なつかしい人と再会しました
祝宴のようす
お世話になりました!
ハイ・ポーズ!
それから、東孝則常務が乾杯の音頭を取り、華やかに祝宴が開始されました。
会場いっぱいに集まった人々が飲んで食べて語らいました。
なつかしい顔もたくさん見えて、会話の花が咲きました。
わたしは何度も「お世話になりました!」とお礼を述べました。
挨拶する畠中聡之さん
挨拶する橋本洋介さん
挨拶する大塚邦弘さん
なつかしい思い出がよみがえってきました
みなさん、口調は昔のままでした
最後に記念撮影をしました
祝宴では、OBの方々に登壇していただき、1人づつ紹介をさせていただきました。
OBがステージに上がるたびに、大きな歓声が巻き起こりました。
最後は、全員で集合写真を撮影しました。みなさん、本当に嬉しそうでした。
北陸本部からのメッセージ
北陸本部のパフォーマンス
沖縄本部からのメッセージ
沖縄本部のパフォーマンス
よく見えていますよ!
宮崎事業部からのメッセージ
宮崎事業部のパフォーマンス
大分事業部からのメッセージ
大分事業部のパフォーマンス
北九州本部のパフォーマンス
北九州本部のパフォーマンス
それから、アトラクションの時間となりました。
衛星放送を使って、各事業部からのアトラクションが映像で届きました。
北陸本部からは「金沢YOSAKOI 天下布礼のうた50thバージョン」。
沖縄本部からは「カチャーシー」。
宮崎事業部からは「ひょっとこ」。
大分事業部からは「めじろんダンス」。
それぞれ、冒頭に事業部長の挨拶があり、続いて現地社員による絶妙のパフォーマンスが展開されました。そして、北九州本部によるEXILENの「Choo Choo TRAIN」。
「みんな、ちゃんと仕事しているのか?」と思うぐらい、見事なパフォーマンスの数々に圧倒されました。本当に、わが社は芸達者が多いです!
ステージにニセ佐久間庸和が登場!
そいつはニセ者だぞ!
騎馬にまたがり、ド派手に入場しました
蛇踊りに続いて入場!
最後は、わたしの出番です。冒頭、わたしの仮面をつけた柔道着姿のニセ佐久間庸和が登場し、会場が大混乱となりました。蛇踊りに続いて、背中に「祭」と書かれた黄金の法被を着たわたしは「そいつはニセ者だぞ!」と叫んでから屈強な3人衆の騎馬にまたがり、ド派手に入場しました。さあ、スペクタクルの開始です!
ニセ者と直接対決する
ニセ万太朗を投げ飛ばす!
興奮した営業員さんたちが騎馬に殺到して危険な状態となりましたが、なんとか舞台までたどり着きました。颯爽と舞台に駆け上がったわたしは、ニセ佐久間庸和に向かって、「その間抜けな仮面を取ってみろ!」と言うと、相手は仮面を取りました。正体は万太朗メガネをかけた貧相な男でした。わたしは「なんだ、おまえは柔道着なんか着やがって! そんなに柔道が好きなら、これでも喰らえ!」と言って投げ飛ばしました。豪快に投げられた男は「イテテ、おぼえてやがれ!」とベタな捨て台詞を吐いてから逃げていきました。
つかみはOK牧場!
野郎ども、準備はいいか?!
それから、わたしは北島三郎の「まつり」を歌いました♪ イントロの部分で、「年がら年じゅう、お祭り騒ぎ。冠婚葬祭のサンレーが50周年を迎えたよ。こりゃあ、めでたいなあ〜。祭りだ! 祭りだ!」と言うと、早くも会場が熱狂の坩堝と化しました。よし、つかみはOK牧場!
男は〜ま〜つ〜り〜を〜♪
ど真剣に歌いました♪
1番を歌い終わると客席へ降りました
客席で握手攻めに遭う
大盛り上がり! 狂乱のステージ!
祭りだ! 祭りだ! ワッショイ!
わたしが「男は〜ま〜つ〜り〜を〜♪」と歌い始めると、大漁旗や巨大団扇を持った男たちが次々に出現しました。1番を歌い終わると、「祭」と書かれたブルーの法被を着た営業所長たちも登場しました。みんなで歌い、踊り、大いに盛り上がりました。
こんなに盛り上がって大丈夫か?!
これがサンレーの祭り〜だ〜よ〜♪
フィナーレ!
ああ、生きてて良かった!
最後の「これが日本の祭り〜だ〜よ〜♪」の歌詞を「これがサンレーの祭り〜だ〜よ〜♪」に替えて歌い上げると、興奮が最高潮に達しました。歌い終わって、わたしが「ありがとう!」と叫ぶと、何十発ものクラッカーが鳴らされました。まさに「狂乱のカーニバル」といった感じでしたが、割れんばかりの盛大な拍手が起こり、感激しました。ああ、生きてて良かった!
再び騎馬にまたがりました
もう放心状態です・・・・・・
蛇踊りに続いて・・・・・・
まさに「まつり」でした!
こんな会社、他にあるだろうか?
みんな、ありがとね〜!
歌い終わったわたしは、再び騎馬にまたがって退場しました。
途中、多くの営業員さんたちがスマホで撮影し、ハイタッチや握手を求めてきました。
いやあ、なんだかアイドルになった気分です。福岡に来ているBIGBANとやらも、この華麗なるパフォーマンスには腰を抜かすのではないでしょうか?
松田取締役による中締め
最後はサンレー名物の「末広がりの五本締め」で
みなさん、ありがとうございました!
大盛り上がりのアトラクションが終了すると、松田哲男取締役による中締めがありました。
松田取締役は「佐久間社長のパフォーマンスには度肝を抜かれました。元気をいただきました。わが社はさらに発展すると確信いたしました」と述べました。それから、サンレー名物の「末広がりの五本締め」で創立50周年記念祝賀会は無事に終了しました。
これからも、全社一丸となって、「天下布礼」に邁進しましょう!
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2016年11月18日 佐久間庸和拝
[お知らせ]那覇BFのお知らせ
マリエールオークパイン那覇からのお知らせです。
来る11月23日(水・祝日)にブライダルフェスタを開催します。
新作ドレス試着撮影会、婚礼料理試食会、会場見学、ウエディンググッズ展示会、ブライダル相談会&お見積り相談会、ウェディングレッスンなどを行います。
◇マリエールオークパイン那覇
マリ☆コレ 〜マリエール☆コレクションブライダルフェスタ〜
【日時】
11月23日(水・祝日)11:00〜20:00
1部 12:00〜
2部 17:00〜
※1部、2部とも限定20組無料ご招待
【場所】
マリエールオークパイン那覇
那覇市古島1−15−11
【内容】
●ドレス試着撮影会
秋冬コレクションの中から新作ドレスを中心にお気に入りのドレスで記念撮影
キレイに撮影した写真は記念にプレゼントいたします。
●婚礼料理試食会
【時間】1部 12:00〜
2部 17:00〜
豊富な種類の婚礼料理が食べられる。
和食中華セレクトメニューの中から調理長選りすぐりの全12品を無料で試食できるのもマリ☆コレだけ!
自分の舌で味わってチョイスしたらゲストも喜んでくれるのも間違いなし!
●会場見学
来て見てナットク♪イメージにピッタリの素敵な会場をチェック!
●ウェディンググッズ展示会
装飾や引き出物、演出などを一堂に展示!スタッフが丁寧に説明します。
体験もできるから安心です。
●ブライダルお見積り&相談会
経験豊富なスタッフが、ブライダルに関する様々なご質問に親身になって対応いたします。
●ウェディングレッスン
他とは違う披露宴にするために・・・。
人生最良の日をエレガントな立ち居振る舞いで最高の結婚式を迎えましょう!!
【講師紹介】仲西小百合
東京デザイナー学院在学中にスカウトされモデル業へ。結婚を機に帰沖、モデルスカウトやモデル養成、一般の方々にウォーキング、セルフメイク、立ち居振る舞いファッションコーディネート術を指導。企業研修、ヘアーメイクプロ養成も行う。外見だけでなく内面も変われる楽しいレッスンが好評中♪
わたしたちがご案内いたします!
<ご予約・お問合せ>
マリエールオークパイン那覇
那覇市古島1−15−11
TEL:098−886−3030
ホームページはこちら
http://www.marier-oakpine.jp
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2016年11月19日 佐久間庸和拝
[こころの一冊]『生きる意味』
連載100回達成記念に、過去の「ハートフル・ブックス」をご紹介しています。
第29回目は、「サンデー新聞」2010年7月3日号に掲載されました。
わたしは、『生きる意味』上田紀行著(岩波新書)を紹介しました。
「サンデー新聞」2010年7月3日号
ある予備校の調査によると、本書は、2006年の全国の大学入試で出題数が第1位の本だったそうです。40以上の大学が本書から出題したというから、すごいですね。それほど、本書の内容が現代社会の抱える問題を浮き彫りにしたということでしょう。
著者によれば、わたしたちがいま直面しているのは経済的不況よりもはるかに深刻な「生きる意味の不況」です。物質的豊かさの中で、多くの日本人は「本当に欲しいもの」がわからない「空しさ」に苦しんでいます。
1988年からずっと日本における自殺者の数が年間3万人を越えています。自殺を試みたけれども未遂に終わった人はだいたいその2倍の数だと考えられています。ということは、単純に計算しても、1年間に自殺を試みた人はおよそ10万人ということになります。
これまでの時代は、「生きる意味」も既製服のように、決まったものが与えられた時代だったのです。しかし、いまや一人ひとりが「生きる意味」を構築していかなければならない時代が到来しました。著者の言葉を借りれば、「生きる意味」のオーダーメイドの時代なのです。
「生きる意味」を持たない現代日本人を象徴する言葉が「透明な存在」です。そう、あの酒鬼薔薇少年が提示した言葉ですね。「透明な存在」とは、色も匂いも癖もない交換可能な存在なのです。
では、交換可能の反対とは何か。それは「かけがえのない」ということです。透明人間たちは、自分自身をかけがえのない存在であると感じることができません。常に自分は他人と交換可能であるという感覚がつきまといます。それは、まさに人間の尊厳を最大限に傷つけられた状態なのです。
著者は、日本社会における自己信頼の回復は、次の二つの方法で可能になると説きます。第一に、わたしたち一人ひとりを固有の「生きる意味」を持った存在であるととらえ、一人ひとりの中の「内的成長」を見ること。第二に、わたしたちが自分自身を「内的成長」する存在だと感じ、「生きる意味」を探求すること。
「自分の幸せのみを喜ぶ者の幸せは有限である。しかし他人の幸せを我がごとのように喜べる者の幸せは無限である」という多くの文化に伝えられている教えは、どんな社会が人間を幸せにしてくれるかを教えてくれます。
そう、それは、「思いやり」社会であり、「助け合い」社会にほかなりません。

- 作者: 上田紀行
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/01/20
- メディア: 新書
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2016年11月20日 佐久間庸和拝
[会社だより]松柏園新館起工式
ブログ「サンレー創立50周年記念式典」、ブログ「サンレー創立50周年記念祝賀会」から早くも3日が経過しました。いまだ興奮覚めやらぬところですが、21日の10時から 松柏園ホテルの新館「VILLA LUCE」の新築工事起工式が行われました。
身を清めて儀式の場へ
一同礼!
新築工事起工式のようす
本日の神饌
本日の式次第
一同、低頭しました
清祓之儀のようす
この日は、九州の名門神社である戸上神社の是則國興権禰宜をお招きしました。
起工式の中心は、いわゆる地鎮祭です。地鎮祭は、「安全祈願祭」「鎮地祭」「土祭り」「地祭り」「地祝い」などとも呼ばれます。地鎮祭では、土地の四隅に青竹を立て、その間を注連縄で囲って祭場とします。祭場の中には木の台(八脚台という)を並べ、その中央に神籬(ひもろぎ)を立てて祭壇とします。神籬とは、大榊に御幣・木綿を付けた物です。これに神を呼ぶのです。さらに祭壇には、酒・水・米・塩・野菜・魚といった「供え物」を供えます。起工式では「地鎮之儀」が行われます。
佐久間会長による「刈初の儀」のようす
わたしは「鍬入之儀」をしました
鈴木社長による「鋤取之儀」のようす
出光執行役員による「杭打之儀」のようす
今日は、サンレーグループの佐久間進会長が「刈初の儀」、社長であるわたしが「鍬入之儀」、設計を担当したスズキ設計の鈴木宗正社長が「鋤取之儀」、施行を担当する日本建設株式会社福岡支店執行役員の出水敏行支店長が「杭打の儀」を行いました。
最初に玉串奉奠する佐久間会長
続いて、わたしが玉串奉奠しました
東常務に続いて二礼二拍手一礼
玉串奉奠する山下総支配人
松柏園関係者も二礼二拍手一礼
その後、玉串奉奠では、最初に佐久間会長が行いました。
続いて、社長のわたし、スズキ設計の鈴木社長、日本建設の日野直行社長、 サンレーの東孝則常務、松柏園ホテルの山下格総支配人が玉串奉奠しました。東常務に続いて本社関係者が、山下総支配人に続いて松柏園関係者が二礼二拍手一礼しました。
新築起工式のようす
是則権禰宜による乾杯の音頭
神酒拝戴しました
日本建設による「安全宣言」
その後、是則権禰宜の乾杯発声で神酒拝戴しました。
それから、日本建設さんによる「安全宣言」がありました。
この場所には結婚式場を建設するわけで、当然ながら教会=チャペルも建てられます。しかし、キリスト教の施設であるチャペルを建設する際には、神道による「地鎮祭」が執り行われるというのが面白いですね。やはり、その土地の神様(氏神)に土地を使わせていただくことの許しを得なければならないのです。ここに、わたしは日本人の「こころ」の主柱が神道であることを痛感します。それから、神酒拝戴の後の「安全宣言」というものを初めて経験しましたが、わたしは起工式のアップデートとして素晴らしいアイデアだと思いました。
施主挨拶をしました
「むすび」について話しました
みんなで神酒を頂いてから、最後はわたしが施主挨拶をしました。
わたしは、「やはり儀式というものは人間の魂を活性化させてくれます。
冠婚葬祭がなかったら、人類はとうの昔に滅亡していたのではないかと思うのです。
わが社の社名である「サンレー」には『産霊(むすび)』という意味があります。神道の言葉ですが、新郎新婦という二つの『いのち』の結びつきによって、子どもという新しい『いのち』を産むということですね。『むすび』によって生まれるものこそ、『むすこ』であり、『むすめ』です。結婚式の存在によって、人類は綿々と続いてきたと言ってよいでしょう」
安全第一でお願いいたします!
それから、わたしは「いよいよ、念願の松柏園ホテルの新館が建設される運びとなりました。わたしは松柏園で生まれ、松柏園で育ったので、まことに感慨深いものがあります。新館は、これまで北九州にはなかったような最先端の『アーバン・リゾート』をコンセプトに建設されます。チャペルやレストランなども併設され、新たなブライダル・シーンを切り拓いていきます。最後に、何は置いても、工事は安全第一でお願いします」と述べました。
NEW・松柏園ホテルのイメージパース
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2016年11月21日 佐久間庸和拝
[人生の四季]ミッショナリー・カンパニー
「サンデー毎日」2016年12月4日号が発売されました。
表紙は、ハッとするような美女の写真であります。いいね!
「ミス・ワールド2013 日本代表」で、現在は女優の田中道子サンですね。
わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
第57回目のタイトルは、「ミッショナリー・カンパニー」です。
「サンデー毎日」12月4日号
おかげさまで11月18日、わたしが社長を務める株式会社サンレーが創立50周年を迎えました。50年前、つまり1966年にはイギリスで音楽革命を起こしたビートルズが来日しました。アメリカでは大衆文化の革命を起こしたウォルト・ディズニーが亡くなり、中国では毛沢東が「文化大革命」を起こしました。 そんな年に誕生したサンレーは、日本における冠婚葬祭の文化大革命をめざして歩んできたように思えます。
早いもので、わたしが社長に就任してから15年が経過しました。
創立50周年を記念して、わたしは佐久間庸和の本名で『ミッショナリー・カンパニー』(三五館)という本を上梓しました。「ミッション」とは「使命」のことであり、「ミッショナリ―・カンパニー」は「使命のある会社」という意味になります。『論語』には「五十にして天命を知る」という言葉がありますが、まさに創立50年を迎えたわが社は、天から与えられた使命としての「ミッション」を知らなければなりません。
わが社の小ミッションは「冠婚葬祭を通じて良い人間関係づくりのお手伝いをする」です。
冠婚葬祭ほど、人間関係を良くするものはありません。そして、わたしたちの理想はさらに大ミッションである「人間尊重」へと向かいます。太陽の光が万物に降り注ぐごとく、この世のすべての人々を尊重すること、それが「礼」の究極の精神であると考えます。
わが社の活動の根底には「天下布礼」という思想があります。かつて織田信長は、武力によって天下を制圧するという「天下布武」の旗を掲げました。しかし、わたしたちは武力で天下を制圧するのではなく、「人間尊重」の思想で世の中を良くしたいのです。
天下、つまり社会に広く人間尊重思想を広めることがわが社の使命です。50回目の創立記念式典では、全社員に向けて「かねてより天からの命おぼゆれど わが社いま知命迎へり」という歌を詠みました。今後も、使命を果たすべく精進いたします。
「サンデー毎日」12月4日号の表紙
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2016年11月22日 佐久間庸和拝
[こころの世界遺産]『アンデルセン童話集』
本日は「勤労感謝の日」ですね。
わがサンレーグループは冠婚葬祭業やホテル業といったホスピタリティ・サービス業なので、休みが不規則です。働いていただいている社員のみなさんには、心より感謝しております。
さて、「朝日新聞」朝刊に第11回目の「こころの世界遺産」が掲載されました。
今回は、世界中の子どもたちから愛されている『アンデルセン童話集』を紹介しました。
「朝日新聞」11月23日朝刊
デンマーク生まれのハンス・クリスチャン・アンデルセンこそは、世界で最も有名な作家ではないでしょうか。彼ほど、さまざまな国の子どもから大人まで広く知られている書き手は存在しません。ゲーテ、シェイクスピア、スタンダール、ドストエフスキー、夏目漱石といった世界の文豪たちよりもアンデルセンの名は広く知られ、その作品は多くの人々に読み継がれています。
「みにくいアヒルの子」や「裸の王様」といった彼の作品の名を聞けば、誰でもそこに込められているメッセージを即座に理解することができます。これは本当に凄いことです。
そして、アンデルセンは「裸の王様」ならぬ「童話の王様」と呼ばれました。彼は童話という小さな枠の中にあらゆる舞台を取り入れ、人間の本性を見極ようとしたのです。
ドイツ語の「メルヘン」の語源には「小さな海」という意味があるそうです。大海原から取り出された一滴でありながら、それ自体が小さな海を内包しているのです。
アンデルセンは、「涙は人間がつくるいちばん小さな海」という言葉を残しています。涙は人間が流すものです。どんなときに人間は涙を流すのか。それは、悲しいとき、寂しいとき、つらいときです。それだけではありません。他人の不幸に共感して同情したとき、感動したとき、そして心の底から幸せを感じたときではないでしょうか。
つまり、人間の心はその働きによって、普遍の「小さな海」といえる涙を生み出すことができるのです。特に、アンデルセンの「人魚姫」という水の物語、「マッチ売りの少女」という火の物語には、宗教や国家や民族を超えた人類普遍の「道」が示されているように思います。
アンデルセンは、児童文学に初めて「死」を持ち込みました。
アンデルセンの童話を読めば、死を乗り越えられます。
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2016年11月23日 佐久間庸和拝